平安時代、大鎧が用いられる頃になると矧板鋲留鉢がその製作の簡便さからよく用いられるようになり、鋲頭を星と呼ばれる突起物で装飾した星兜が隆盛し後室町時代まで一般に用いられるが、南北朝時代からは星を用いない筋兜が見られ、室町時代に全盛期を迎えるようになる。
こうした兜は顔面を覆っておらず、兜で守られていない顔面部は内兜とよばれ、弓で射るべき対象の一つとされていた。 この弱点を補うために錣を折り返した吹返が誕生した。
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また、平安時代から鎌倉時代までは、こうした兜鉢の頭頂部に天辺の穴(てへんのあな)と呼ばれる4-5cm程の穴があいていた。 当時は髪を結い髻をつくって烏帽子を被り、天辺の穴から烏帽子を被せた髻を出していた為で、平家物語にはこの穴より矢を射かけられぬよう注意を促す一文がある。
髻を結わぬようになるとこの穴は縮小されるようになるが、装飾として、または息出しの穴と呼ばれたように、頭部が蒸れるのを防止する等の効用もあり、完全には消滅しなかった。
室町時代の終わり頃から浮張の発達により阿古陀形兜のような斬新な形状の兜があらわれた。 群雄割拠する戦国時代においては、鉄板を打ち出して兜そのものを奇矯な形にしたり、張貫とよばれる張子を取り付けて威容を誇るなど、さまざまな意匠を凝らした兜が登場し、こうした兜を総称して当世兜と呼んでいる。
この時代になると吹返はその意義を失い、装飾的に取り付けられるに留まる。